KATZの菜園便り

四季折々徒然草ー晴耕夜読聴暮らし

澁澤龍彦「滞欧日記」巌谷國士編 一九七〇年 九月一日~十一月四日

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 10月2日(金)

 

美術館を出て、サン・ミシェル通りのシュルレアリスム関係の本の多い書店で

買い物する。

数冊で一七〇フランばかり。

カタログを送るというので、ノートに住所氏名を記入。

小生の名前はポーヴェールのDictionnaire de l'Erotologie〔性学事典〕に出ている、

と言うと、その本を出してくる。

これだ、と言うと、その記述を読んで、「キュノポリス」〔犬狼都市〕には英訳は

あるか、ときくので、「日本語だけだ」と笑って答える。

サン・ジェルマン大通りのカフェーでビールを飲んで帰る。

 

 「滞欧日記」P65・66 1993年1月20日 河出書房新社