池波正太郎ほか「剣客商売読本」
池波正太郎インタヴュー
秋山小兵衛とその時代
筒井ガンコ堂:-とにかく小兵衛には、長生きしてもらいたいですね。
松尾芭蕉のふくらはぎは、相当太かっただろうという話がありますが、芭蕉にかぎらず
昔の人は、どこへ行くにも自分の足であるいたでしょう。
普通の人だって、ずいぶん頑丈だったでしょうね。
池波正太郎:だからかえって、長生きはできなかったとも言えるんですよ。
一生を通じてみると、どうしても身体を酷使することになりますからね。
だけど、どちらがいいのか・・・・。
今は高齢化社会といって、八十まで生きられるとみんな喜んでいますが、いずれにして
も、四十を過ぎたら、人間は死ぬということを悟った方がいい。
人生の一大難事ですからね。
僕も後、どのくらいできるかはわかりません。
七十歳まではやれるだろうと思っていますがね。